刑法・少年法改悪に異議あり!緊急アクション

危険な刑法等「改正」案審議入りに反対するアピール、侮辱罪重罰化に反対する声明 賛同のお願い


以下のアピール、声明への団体・個人賛同をお願いします…… 【印刷用PDF】


  ■ 危険な刑法等「改正」案審議入りに反対するアピール…… 【PDF】

【賛同】5月18日現在


  ■ 侮辱罪重罰化に反対する声明…… 【PDF】

【賛同】5月18日現在


  第2次締切 5月30日(随時WEBサイトにて公開)


  ■ファックス:03-3961-0212 下記1-5を記載してください

  ■メールの方は、下記1-4をご記入のうえ、action@keihoh.org まで

  1.賛同するアピール・声明
    A:危険な刑法等「改正」案審議入りに反対するアピール
    B:侮辱罪重罰化に反対する声明
  2.団体名・個人名(肩書)
  3.フリガナ
  4.公表(ウェブ上の公開):  可  不可
  5.連絡先(メールアドレスまたは住所)

  賛同用コピペテキスト





危険な刑法等「改正」案審議入りに反対するアピール



 政府はいま、昨年の少年法改悪に続き、「再犯防止」のための刑法等「改正」案を上程し、拙速審議で成立させようとしている。刑罰制度を中心にした大「改正」で関連改正法は膨大であり、慎重に審議するのは当然のことである。「改正」の内容は拘禁刑創設、執行猶予中の再犯処罰の変更、保護観察の特別遵守事項拡大、更生緊急保護の拡大、処遇に被害者の心情を反映、少年鑑別所の活用などだが、しかし同法案には様々な問題があり、私たちは廃案を求める。


1.立法事実がない―日本の治安は「良好」


 そもそも「改正」案には現代日本の治安をどうとらえ、どう対処するのかという根本的な理念が欠けている。刑法犯認知件数は戦後最少を記録しつづけ、殺人や強盗などのいわゆる凶悪犯罪も一貫して減っている。犯罪の多くは万引(窃盗)無銭飲食(詐欺)などであり、そうした犯罪さえも減っている。
 法務省は“再犯が多い”ことを立法理由の一つにあげているが、再犯者率は検挙総数に占める再犯者数の比率であり、近年は検挙総数も再犯者数も減っており、極めて恣意的である。実際、刑務所はガラガラだ。

2.何のための刑法「改正」―刑法理念がまったく不明瞭


 “治安良好”しかし先鋭化する社会的矛盾が時折“犯罪”として噴出する中での115年ぶりの改正であれば、本格的な刑罰・刑法議論が広くなされる必要がある。1970年代の改正刑法草案時には、反対する刑事法学者・弁護士・医療従事者・市民らの反対の声が巻き起こり、法務省が改悪案上程を断念したこともある。また昨年の少年年齢引下げをめぐっては学者・弁護士のみならず、実務に携わる家裁・少年院関係者が反対の声をあげたが、自・公両党の政治決着で成立させられた。しかし今回の刑法「改正」について、法制審議会で根本的な論議はなされていない。「改正」は、何のためか? いかなる国家を目指すのか? 政府・法務省は市民に説明すべきである。


3.拘禁刑創設―刑罰についての誤った観念


 日本の懲役刑は“自由刑は閉じ込めること以上であってはならない”とする国際的な刑罰原則に反している。また“教育を目的としたものも含めてあらゆる強制労働をさせてはならない”とする強制労働廃止条約にも違反している。禁錮刑を廃止し懲役刑に一本化した今回の「拘禁刑」は、矯正処遇(教育)である「指導」を刑罰に格上げし、「作業」(強制労働)を存置する。それらをともに「改善更生を図るため」として刑法に書き込むのは、人格改造を狙っているというしかない。施設内・社会内の矯正プログラムは自発性が重要で、強制してもなんら効果がないことは実証されている。逆に本人に自らの行為の反省を強要する医療観察法の内省プログラムでは、多数の自殺者も出ている。


4.保護観察強化は何を狙うのか


 保護観察下の行動の状況を当事者が報告する義務が作られる。また「緊急更生保護」制度について、検察による不起訴処分決定前まで対象を拡大し、刑期終了前に出所後の適用のための手続を整備するとし、その適用期間を延長するとしている。運用次第では「恐れ」で中間施設に強制的に収容する保安処分への通路になり得る。また執行猶予中の再犯について判決確定まで「効力継続期間」を創設する重罰化も狙われている。保護観察は、罪を犯した者が執行猶予となっても、刑務所を仮出所となっても、守るべき各種の遵守事項に反すれば閉じ込めるぞと脅して人を管理・監督する制度であり、個人のプライバシー・人格への侵害だが、これを濫用すれば市民社会はディストピアになる。


5.「改善更生」は何のためか 誰のためか


 「特定の犯罪的傾向を改善するための専門的な援助」「進んで法律を守る善良な社会の一員となることを援護」するとは、かつての「転向強要」であり、人格改造の勧めである。本法案の前提である「再犯防止推進法」は民間をも動員して再犯防止策を推し進めるというものである。本法案では刑務所内での「社会復帰支援」を義務付け、福祉・医療・教育・就労の「支援」を治安管理の道具にしようとしている。法案の基本にあるのは“犯罪の原因は個人の人格にある”としそれを矯正するという考えであり、そのために「支援」も拡充しようということに他ならない。


 結論 私たちは廃案を求める


 法案は、裁判所・刑務所・保護観察所など国家の裁量権強化と、重罰化+教育刑をセットにした予防刑法の色彩が濃い。戦前の治安維持法は、近代刑法の原則である“行為を裁く”のではなく、“国家にとって危険な者”を逮捕し、民衆を弾圧するための強力な武器として使われた。転向した者は釈放されたが、その後きちんと転向しているか監視するために「保護観察」制度が創られたことを想起する必要がある。
 また今回の法案には、別の法制審部会で審議された侮辱罪の重罰化が含まれている。自由民権運動弾圧の武器として猛威を振るった讒謗律起源の侮辱罪重罰化は、SNS上の暴言によって自殺に追い込まれた痛ましい事件に便乗して名誉棄損罪濫用とセットで言論・表現の自由を禁圧することを狙っている。
 私たちは、国家が民衆を管理して従わせ、戦争する国と相互監視・管理社会実現に向けようという刑法等「改正」案の成立を許すわけにはいかない。それは治安立法の流れからみれば、共謀罪を実働化する体制を創るものである。  私たちは、刑法等「改正」案に全面的に反対する運動を創りだす。様々な角度から、異議ありの声をあげよう。


 2022年4月16日

刑法・少年法改悪に異議あり!緊急アクション
連絡先:東京都港区新橋2-8-16石田ビル5階 救援連絡センター気付
WEBサイト:keihoh.org
メール:action@keihoh.org






侮辱罪重罰化に反対する声明



 政府・法務省は今通常国会に提出した「刑法等の一部を改正する法律案」の一部に侮辱罪の重罰化を忍び込ませている。また「改正」点は現在「拘留(30日未満)または科料(1万円未満)」を「1年以下の懲役や30万円以下の罰金」に引き上げると、侮辱罪の構成要件を変更せず単なる刑引上げであるかのように仮装している。しかしこの法定刑引上げの効果は大きく、他の刑法条文と併せれば弾圧立法となり、表現の自由を大きく侵害する恐れがある。私たちは、侮辱罪の重罰化に、絶対に反対する。


1.拙速審議・制定は許されない


 法制審議会刑事法(侮辱罪の法定刑関係)部会は「近年における侮辱の罪の実情等に鑑み、早急にその法定刑を改正する必要がある」との諮問を受けて、僅か2回の審議で、諮問通りの答申を強行した。呆れたことにドイツ・フランス・韓国を参照例とするだけで、国連規約人権委員会の非犯罪化の見解や名誉棄損罪・侮辱罪をなくした英国などの国際的流れについて真剣に検討していない。更に、法制審議会の別部会で論議・答申され、今通常国会に提出された「刑法等の一部を改正する法律案」の一部に侮辱罪の重罰化を紛れ込ませ、拙速制定を狙っている。政府・法務省・法制審議会は為政者としての矜持すら失っている。


2.侮辱罪重罰化の狙い―容易に逮捕・勾留、「懲役刑」を科すことが可能になる


 現行侮辱罪は刑罰として最も軽い「拘留または科料」で、定住先がない、または出頭に応じないことが逮捕要件とされ、定住先がない場合に限り勾留が可能とされている。全くの微罪扱いなのだ。
 これが「懲役刑」新設で、①容易に逮捕・勾留できるようになり、②共犯(教唆者・幇助犯)処罰が可能になり、③公訴時効期間が3年に延長できることになる。しかも「刑法等の一部を改正する法律案」で懲役刑は「拘禁刑」に改悪されるが、矯正処遇である「指導」の内容は不明なままである。


3.侮辱罪重罰化の狙い―名誉毀損罪濫用と一体で表現の自由を侵害する


 刑法には人の名誉や尊厳を傷つける罪として名誉毀損罪(3年以下の懲役)があるが、侮辱罪も名誉棄損罪も同じく「社会的名誉・社会的な評価」の侵害に対する罪である。侮辱罪は、事実を示さないで「公然と」人を侮辱することを犯罪とするものであり、名誉棄損罪と重なる面があるが、両者は事実の指摘の有無によって区別されている。
 名誉棄損罪では、指摘された事実が公共の利害に関わり、公益を図る目的があり、内容が真実もしくはそう信じた相当の理由が認められる場合は罰せられない。また、公務員や選挙の候補者の名誉を傷つけても、真実であれば罰しないとする明文規定もある。名誉毀損罪には、表現・政治活動の自由との関係で犯罪化しない規定があるのに対し、侮辱罪にはこうした規定や歯止めの条文がない。どんな表現が侮辱罪にあたるかは曖昧で、捜査当局の恣意的な判断に任されている。この国では、民衆の政治家への批判が、悪口では済まず「侮辱」と認定され処罰できる危険性がある。


4.侮辱罪重罰化は、名誉棄損・侮辱罪非犯罪化の国際的流れに逆行する


 国連自由権規約委員会は2011年に、表現の自由に関わる名誉毀損や侮辱罪については犯罪の対象からはずすこと,またどのような場合でも,刑法の適用は最も重大な事件にのみ容認されなければならず,拘禁刑は適切な刑罰ではないとする見解を出した。実際、英国のイングランドとウェールズ、米国連邦法には名誉毀損罪や侮辱罪に相当する刑罰がなく、イタリアは16年に侮辱罪を削除している。名誉や侮辱をめぐる争いは当事者間の民事手続きで解決をめざす流れであり、今回の侮辱罪重罰化は国際的流れに全く逆行している。


5.ネット上の侮辱行為にかこつけた「権力批判封じ」は絶対に許されない


 今回の重罰化の契機となったのはSNS上での誹謗中傷によりTV番組出演者が自殺に追い込まれた痛ましい事件である。またSNSでは、在日コリアンや性被害を告発する女性などが標的にされるケースも頻発している。悪口を言いふらす、ビラをまくといった行為を想定していた時代の刑罰で対応できるのか、という議論はありうるだろう。しかし、本年9~10月には改正プロバイダ責任制限法施行で、中傷する悪質な投稿者を特定するための裁判手続きが簡素化されるし、法務省はネット名誉毀損について別途検討中である。こうした中での、今回の侮辱罪重罰化は「インターネット上の誹謗中傷が特に社会問題化していることを契機として,誹謗中傷全般に対する非難が高まる」ことに便乗し、侮辱罪・名誉棄損罪などを使い国家権力・大企業批判などの封じ込めを狙っていると言うしかない。既に、労働運動・市民運動を封じ込めるために名誉棄損罪を濫用する刑事弾圧の動き、労働争議や反原発運動禁圧を狙う経営の民事スラップ訴訟、デモ・集会への行政規制、右翼のヘイトスピーチや襲撃など、表現の自由は危機に瀕している。
 いま歴史の歯車が轟音をあげて回転し、時代が激変する真っ只中にある。ウクライナ軍事侵攻を強行するプーチン大統領は、「特別軍事作戦」を「戦争」と言う「誤情報」を流すことを最高15年の刑で処罰する刑法「改正」を行い、ロシア民衆の批判を封じ込め、弾圧している。街頭演説での市民のヤジを「憎悪」「誹謗中傷」呼ばわりし、「こんな人たちに負けるわけにいかない」などとし、市民を警察が「拘束」した安倍元首相に典型的なように、日本も同じである。侮辱罪重罰化は、国家権力にとって、表現-政治弾圧、労働運動・市民運動に対する強力な弾圧の道具となり得る。また、それらの運動を否応なく萎縮させ、犯罪を抑止する以上に、社会を萎縮させる。
 私たちは、こんな危険な時だからこそ、表現の自由を侵害する治安立法を絶対に許さない。


 2022年4月16日

刑法・少年法改悪に異議あり!緊急アクション
連絡先:東京都港区新橋2-8-16石田ビル5階 救援連絡センター気付
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